ICU・HCU新人看護師に役立つモニター心電図の考え方 

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 どうもこたつです。

 今回はモニター心電図に関しての投稿です。新人看護師がつまずいてしまうものの中に心電図波形があります。中でもICH・HCU・循環器病棟では、モニターで心電図波形をモニタリングしており、患者の異常の早期発見をするためにはモニター心電図に関する知識は非常に重要です。今回の記事はICU・HCU・循環器病棟の新人看護師が心電図波形の異常を早期に発見するために役立つ内容になっています。

心電図で心臓の動き方と心臓が動く速さがわかる

 心電図は心臓の電気的な動きを波形として形で表してくれます。P波・QRS波・T波というように波形をいくつかの波に分けて考えることで心臓の動きを理解することができます。波形の形=心臓の動き方です。

 波形の数は心臓が電気的な信号を発信した回数です。心臓内の循環がかなり悪くなければ、ほとんどの場合は波形の数=心拍数です。

モニター心電図は心拍数と波形で考えよう

 モニター心電図から得られることは波形の種類心拍数です。

心拍数

成人の場合:60~100bpm (bpmとは1分間に何回打つかです)

波形

心電図波形には様々な種類のものがあります。脈拍数によって大きく分けて頻脈性・徐脈性の二つに分類されます。さらに心房・上室・心室など異常な電気刺激が生じている箇所によっても分類されます。波形の種類を判断するにはある程度の知識が必要です。ICU・HCUの新人看護師にも波形をみて何の不整脈なのかをわかるようになってほしいですが、それよりも優先されることは、波形が洞調律でないということに気がつくことです。

洞調律

 心臓の拍出は心筋の正しい動きによるものです。「適切な心房収縮・心室拡張」の次に「適切な心房拡張・心室収縮」がタイミングよく行われ、このサイクルが「タイミングよく」繰り返されます。このような心臓が適切な拍出する運動を表した波形を洞調律といいます。

逆に言うと、洞調律でない場合、心臓は効率よく心拍出ができる動きをしてくれず、循環動態に悪影響が生じます。

洞調律の条件を満たさなければ報告しよう

 洞調律でなければ不整脈であり上位スタッフに報告しましょう。以下が洞調律であるための条件です。

PP間隔が一定で15~30コマ ②PQ間隔が一定で5コマ以内 ③QRSが3コマ以内

です。心電図の横軸は1コマ0.04秒です。ここまでだとさっぱりわからないでしょう。上の洞調律であるための条件を言い換えると、

心房の収縮(P波)が規則的で、徐脈でも頻脈でもないか

心房の収縮(P波)の後に起こる心室の収縮(QRS波)が遅れて起ったり、不規則に起こったりしていないか

心室の収縮(QRS波)は適切に起こっているか

となります。少しイメージしやすくなったのではないでしょうか。これらの条件を理解できれば、洞調律ではない異常波形を見つけることができます。

モニター心電図では正確に不整脈を判断できない

 モニター心電図は心臓を一方向もしくは二方向でしか見ることができません。波形を正確に検査するには十二誘導心電図を取る必要があります。モニター心電図の波形だけを見て、何の不整脈か判断をしている看護師やDrもいますが、あくまで憶測でしかないです。モニター心電図を見て何の波形か悩んでしまうようなら十二誘導心電図を取りましょう。

少しレベルアップ:モニター心電図からできるアセスメント

 モニター心電図から不整脈の種類を判断することは中々難しいですが、アセスメントをする上では、モニター心電図は重要な情報になってきます。モニター心電図の変化を患者の身体状況に合わせて考えることで、身体にどのようなことが起こっているかをアセスメントする大きな手掛かりになります。ICU・HCUの新人看護師であっても少しずつアセスメントにモニター心電図を活かせて行けると良いでしょう。

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