今回もご愛読ありがとうございます。
どうもこたつです。
奥深さが果てしないVS(バイタルサイン)の中の今回は呼吸音編です。看護学校のでも一年目の最初に習うものだと思います。そんな呼吸音ですが得られる情報も多く非常に重要な観察項目です。新人看護師も患者の呼吸音を聴取する機会は多いでしょう。新人のうちに呼吸音聴取の手技、呼吸音に関する関連知識を覚えていきましょう。
全く聞こえない呼吸音
呼吸音聴取はドラマなどでよく見ますが、見た目よりも呼吸音を聞くには集中力が必要です。皆さんも思ったことはないでしょうか。「何にも聞こえない。」と。私も新人時代は「肺音なのか副雑音なのかどっちかわからねえよ。」と何度思ったことか。
呼吸音を聞くときは全集中
呼吸音はほんとに些細な音で、一般人が聞いてもなにもわからないでしょう。呼吸音を聴取するのに必要な力は「いろんな騒音の中からある特定の音を聞き分ける力」です。調べてみると「選択的聴取」という能力らしいです。それには呼吸音とはどんなものかを覚える必要があります。
聞こえなくても何度も聞くこと
呼吸音が何なのかわからない、聞こえにくいという人でも聴覚に障害がない限りいつかは聞こえるようになります。秘訣は聞こえずらいと思っても何度も聞くことです。何度もいろんな人の呼吸音を聞くことで呼吸音っぽい音を覚えられます。まずは呼吸音を覚えることが課題です。「呼吸音はこんな音かな。」と覚えてきたら、徐々に呼吸音を周りの音と区別して聞き取れるようになります。聞こえない人も聞こうと試み続けましょう。
聞こえるのは呼吸音なのか副雑音なのか
聴診器を使って聞こえる肺音は呼吸音と副雑音に分かれます。副雑音にはラ音と胸膜摩擦音という二種類に分かれます。胸膜摩擦音は見てわかるように難しく考えることもめったいないので忘れましょう。ラ音だけちょっと考えてみましょう。
ラ音
ラ音には断続性と連続性に分かれていますが、ラ音は全部で4種類と少ないので、連続・断続は考えなくてもよいです。ラ音は水泡音・捻髪音・笛音・いびき音があります。
大切なのは異常な音であること ー アセスメントを深めるために
どのようなラ音がなぜ聞こえるかという詳細はまだ明確に分かっていません。「どのような呼吸音が聞こえてる。」ということよりも「何か気道や肺に障害がある音が聞こえる。」という捉え方がアセスメントする上で重要です。その上で「なぜ異常呼吸音が聞こえるのか」というアセスメントをすることが適切なケアにつながります。
呼吸音の聴取箇所・肺の構造 ー アセスメントを深めるために
肺は右肺・左肺に分かれ、右肺は上葉・中葉・下葉、左肺は上葉・下葉に分かれています。肺のどこの部分が特に呼吸音が弱いのか、どこに異常音が聞こえるのかという視点も持てるとさらにレベルの高いアセスメントにつながるでしょう。
次回投稿ー呼吸音のアセスメントを深めるための関連知識
今回の記事内容はかなり基本的なことです。臨床現場では呼吸音だけでなく、喀痰の性状、胸郭の動き、レントゲン所見など、複数の観察項目を総合的に考えてアセスメントしています。臨床で重要なのは複数の根拠から導かれるアセスメントです。次回はアセスメントをより深めるために、臨床でよく呼吸音に関連して必要な知識をまとめようと思います。
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